虹の麓で春を待つ

気ままにゆるやかにぼんやりと

その後の世界のはなし

ようやく、気持ちが落ち着いてきたかもしれない。ただ、前より全然世界が変わってしまったなと思う。どんなにちっぽけでも私はあの子のことが大好きだったし、私の身体が不調を訴えていた日々がもう懐かしい。今はお酒も飲むし、お刺身もちょっと食べる、コーヒーだって気にしない。むしろ努めて自身の身体に無頓着になろうとしている気がする。流産後の生理がなかなか来なくてとある垢をログアウトしたり、同時期に妊娠して順調に進んでいる同僚を心底妬ましいと思った。各所で聞く妊娠報告がつらかった。焦ったらだめだとわかっていても、気持ちは追いつかない。検索すれば、「流産はよくあること」という慰めなのかわからない文言が飛び交う。その「よくあること」に当てはまらない人も沢山いるのに。むしろ当てはまらない人の方が多いのではないか。一人になる時間が怖かった。死にたくて死にたくてたまらなかった。
一回目の生理が来た時は泣くほど嬉しかった。もう先に寝ていた夫を叩き起こしてやろうかとさえ思った。ようやくまたスタートだと思って、死ぬのをやめた。

職場へは、手術の2日後から通常通りに出勤している。今思えば、あの後もっと休んでおけば良かったなと思った。全然立ち直ってなかったのもあるし、何より休んでしまえば悪阻で具合悪そうな同僚を見なくて済んだから。この時から同僚への苦手意識みたいなものが芽生えてしまって、申し訳ないやら、どうしようもない妬ましさやらで職場へ行くのが嫌だと毎日思っている。(事務員は2人だけの小さな営業所なので、毎日2人きりなのです)同僚は産休のための引継ぎ準備をしていて、そこに私も関わっているけれど本当につらい。顔合わせるのすらつらいのどうしたらいいんですかね。

基礎体温はずっと測っているけれど、しっかり2層にならないのと、高温期がほぼない状態なので、身体はもうちょい回復に時間がかかるかもしれない。排検もやってみようかな。

ただ、以後の世界の生理はあまり痛くなくてこれだけは戸惑っている。今までは物凄く痛くて鎮痛剤必須だったのに全然いらない。妊娠して身体変わったかなと母からは言われた。
食欲も戻ってきていて、体重も以前に戻りつつある。

本当に、以前と以後の世界がまるきり違って見えて、この経験が私には必要だったのだと考えるようにしている。そうであって欲しい。

みんな健やかに産まれて欲しい。健やかに育って欲しい。みんなどうか、お元気で。

エコー写真はお花とともに飾っています。感熱紙だから、しばらくしたらスキャンしてちゃんと印刷しなおさなきゃな。